1986あるいは87だったかのNY。着いてすぐレコード屋に行った。マンハッタン42丁目近辺にあったMUSIC FACTORY。入ってすぐに壁一面に飾られたULTIMATE BREAKS&BEATSに圧倒された。ヒロシが言うにはそこの店主がULTIMATE BREAKS&BEATSを作っていたらしい。店にはULTIMATEと別にBREAKSのコーナーがちゃんとあって、タートルズのアルバム等が入っていた。必死になってDIGっていると、風呂屋の番台のような位置から店主(確かレニーと言っていた)が「そこにあるの、全部ブレイクだ。いいビーツがあるぞ」と、でっかい声でこっちに向かって言う。時代的にサンプリングしてビーツを組んで曲を作ることがそろそろ始まりだしていた頃で、ULTIMATEが定番だったのだろうが、人とは違うネタをDJ達(自分ら含む)がその店で探していたと言うわけだ。と、同時に僕はそれらブレイク以外のNYでしか手に入らないレコをたくさん買った。
「これは買わないとだよ」
ヒロシが僕にそう言った。
東京では買えなかった。いや、買えたとしてもすぐに売り切れてしまったやつだ。
今回販売しているSTRAFEもDJハリウッドもその時に買ったものだ。
どちらもメロウな響きを伴っていて、かたやガラージュ風味の初期エレクトロであり、かたやハリウッドはオールドスクール物だが、単なるパーティ気分だけではないメンタルにクる楽曲だ。
レコードからはデータにない時代が聴こえてくる、、、
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